はじめに
多汗症の体験談を、これまでいくつか書いてきました。
でも、ふと思ったんです。
「そもそも多汗症って、どういう状態のことを言うの?」
そんな疑問を持っている方もいるかもしれません。
だから今日は、“自分の経験を交えながら” 多汗症について少しお話しさせてください。
これは、かつての私自身が知りたかったことでもあります。
多汗症って、ただの汗っかきとは違うんです
多汗症(たかんしょう)というのは、日常生活に支障が出るほど、
身体の一部または全身から異常な量の汗が出る病気です。
ただの「汗っかき」じゃないの?と思う方も多いかもしれません。
でも、違うんです。
たとえば――
・何もしていないのに、手のひらからポタポタと汗が垂れる
・靴下が数分でグッショリになる
・鉛筆を持つと滑る、スマホの画面が汗で反応しない
…そんな日常が、普通になってしまう。
それが多汗症なんです。
私の汗は、ほぼ“全身型”
私は、手のひら全体はもちろん、脇、足の甲、足の裏、お尻、太もも…と、
ほぼ全身から大量の汗が出ます。
夏だけではありません。
冬でも、寒い日でも、手がビチャビチャになる。
そんな体質と、ずっと付き合ってきました。
いつから? 幼稚園の頃にはもう…
いつからだったのか、はっきり覚えているわけではありません。
でも、たぶん4歳か5歳の頃。
幼稚園で塗り絵をしていたとき、クレヨンが手汗で溶けてしまったことがありました。
紙がしわしわになって、塗ったはずの色がにじんでいく…
あの時の「どうして私だけ…?」という気持ちは、今も忘れられません。
原発性多汗症という診断。でも、家族は普通体質
病院では「原発性多汗症」だろうと言われました。
原因がはっきりしないことが多く、遺伝の可能性もあるそうです。
でも、私の家族はみんな汗をあまりかきません。
親も兄弟も、サラサラした手で生活しています。
私だけが、違う。
それが子どもの頃はすごくつらかったです。
健康 でも、“不自由”はつきまとう
体は元気です。病気がちでもないし、運動もできます。
でも、日常のひとつひとつが、汗によって制限されることがあるんです。
• 食事中、箸を置いて何度も手汗を拭く
• キーボードが濡れてしまうので、タオルは常備
• 靴下が湿って気持ち悪くなり、1日に何度も履き替える
• サンダルに憧れても、汗で滑って転びそうになる
• Tシャツや短パンを着たいけれど、汗ジミが気になって着られない
…そんなこと、ありませんか?
「みんな当たり前にできているのに、自分だけができない」
そんなもどかしさを、私は何度も感じてきました。
少しの工夫で、気持ちが軽くなることもある
でも、私は気づいたんです。
工夫すれば、少しはラクになることもあるって。
汗を吸ってくれるタオル、色が変わらず汗が目立たないメッシュ素材の服。
「どうせ無理」と思わずに試してみると、少しずつ、自分のペースが見えてきました。
さいごに
私は多汗症を、周りの人にバレないようにして生活しています。
日々の不便と戦いながら、気づかれないようにそっとごまかす。
それは、誰にも知られない小さな闘いの連続なんです。
もしあなたも同じような悩みを抱えているなら、
「自分だけじゃないよ」と伝えたくて、私はこのブログを書いています。
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
汗に悩む方に、少しでも希望が届けば嬉しいです。
今日も——
あせってないけど、汗かいてます。
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