小学三年生はリコーダーに続き、新たに学習する授業が増えます。
その中で、リコーダーと同じくらい苦手だったのは、習字です。
これも、きっと皆さん一度は経験したことがあるのではないでしょうか。
私は習字がとても苦手でした。
なぜなら、習字は書いている途中で筆を止めることが許されないからです。
途中で止めて再開すると、筆圧や墨の濃さ、線の勢いが変わってしまい、
文字のバランスが崩れてしまうのです。
書道では『一気呵成(いっきかせい)』、つまり“一気に書き上げること”が大切とされているため、
迷いながら書くことはご法度でした。
私の場合、手汗をかいた状態で筆を持つと筆が滑ったり、汗が半紙に
滴り落ちてしまう事があるため、こまめに汗を拭きたいのです。
しかし習字の授業は、お手本を見ながら練習して、清書を提出する流れでした。
しかも、これを一時限で終わらせなければならなかったのです。
最初にお手本を見ながら練習し、その次に清書を書いていましたが、
汗を拭きたい気持ちで、なかなか集中出来ず、清書を提出出来ませんでした。
居残りして書いたり、休み時間に食い込んで書いたりした事がありますが、
小心者の私は皆んなから注目されるので、とても嫌でした。
そこで私は練習の時間を削って、清書の時間に当てました。
清書は一画ずつ丁寧に書き、書き終えるたびに手を止めて、そっと汗を拭きました。
先生は一画を途中で止めて、続きを書くことは注意しましたが、
一画書いて手を止めることには何も言いませんでした。
他の生徒からは『なんでそんなにゆっくり書いてるの?』と不思議に思われましたが、
私は『お手本を見ながら丁寧に書いてるだけだよ』と、うまくごまかしていました。
工夫をして書いたおかげで、時間内に仕上げる事が出来ました。
苦手な授業にもどうにか向き合いながら、日々の小さな工夫で、
自分なりの乗り越え方を見つけていったのです。
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
手汗に悩む方に、少しでも希望が届けば嬉しいです。
今日も——
あせってないけど、汗かいてます。
コメント