騎馬戦は運動会の目玉だった️
小学五年生に上がると、運動会では五・六年生合同の「騎馬戦」があります。
今では安全上の理由から廃止している学校も多いようですが、私の小学校では「組体操」ではなく「騎馬戦」が行われていました。
3人で馬を作り、その上に騎手が乗って帽子を奪い合う——それが騎馬戦。
私は体が大きかったため、「馬」の先頭に選ばれました。
多汗症の私は「ごめんね」の連続だった️
組んだ手の上に騎手の足が乗る構造なので、私は手のひらに汗をかいてしまうたびに、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
練習のあと、後ろの2人に「ごめんね」と謝ると、
「ケガしないようにって、緊張したね!」
「手に汗握るってこのことかもね!」
と、2人とも冗談っぽく、優しく返してくれました。
私は涙が出るほど感動しました。
でも、やっぱり気になって集中できない️
勝ちたい気持ちは強くなったけれど、手汗のことが気になって集中できない。
「滑って騎手がバランスを崩したらどうしよう」と、どんどん不安になっていきました。
私は、三年生のときの担任の先生に、こっそり相談してみることにしました。
️先生の提案と、想像以上の優しさ
その先生は、騎馬戦のサポートに入っており、私のことも多汗症だと気づいてくれていました。
私が悩みを打ち明けると、先生はこう言いました。
「じゃあ、手袋をしてやってみたらどう?」
でも私は「1人だけ手袋なんて、目立ってしまう…」と躊躇しました。
すると先生は、
「実はね、騎手全員に手袋をさせようって考えてたんだ。安全のためにもね」
そう言ってくれたのです。
私は心からホッとしました。
「1人だけじゃない」、それがどれほど救いになったことか。
そして迎えた本番。結果は…️
運動会当日、私は先生と後ろの2人の優しさを思い出しながら、一生懸命戦いました。
結果は——優勝!
涙が出るほど嬉しくて、みんなと喜びを分かち合いました。
一歩踏み出せば、世界は変わるかもしれない️
あのとき、1人で抱え込まずに相談して本当によかった。
誰かに悩みを打ち明ければ、優しさやアイデアが返ってくることもある。
多汗症で悩んでいるあなたへ——
その一歩はとても不安で、勇気がいります。
でも、何かが変わるかもしれませんよ。
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ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
手汗に悩む方に、少しでも希望が届けば嬉しいです。
今日も——
あせってないけど、汗かいてます。
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