[多汗症] 裸足が当たり前の学校に現れた 上履きという革命

小学三年生の冬、私にとっての“革命”が訪れました。

それは、白くて軽くて、私の足を守ってくれる

「上履き」という救世主。

私の学校では、誰もが裸足で過ごすのが当たり前。

上履きを履く文化なんて、そもそも存在しませんでした。

でもその年、県外から来た転入生が、当たり前のように上履きを履いていたのです。

そんな中、転入生が履いていた上履きは、私にとって大変羨ましい存在でした。

その上履きを履いていれば、足の汗を気にせず歩き回れる。

これまで足の汗が床に落ちないように、落ちても気付かれにくいように、廊下の端を歩いていました。

体育の授業で体育館を使用する際は、友達と距離を置いて行動したりしていました。

体操服は半ズボン。

足の汗を拭く事はできない。

そのため私は、自分のふくらはぎあたりで反対の足の汗を拭いていました。

なので上履きを履けたら、どんなに気が楽になるか。

喉から手が出るほど、欲しいアイテム。

しかし、いきなり私が上履きを履いたら、目立ってしまう。

目立つ事は何としても避けたい。

転入生に「上履き、なんで履いとるん?」 
福岡の方言で「上履き、どうして履いてるの?」とみんなから尋ねられていました。

転入生は「冬に裸足は寒いから」と当たり前の返答。

クラス中の生徒は担任の先生に「上履きを履いていいか」尋ねました。

私は先生が「いいと言うはず無いよ」と心の中で思っていました。

少しでも希望を持って、「ダメ」と言われたら落ち込むので、敢えて希望を持たないように。

そしたら先生は「履きたいなら、履いていいよ」とまさかの回答。

私は驚きと嬉しさで、体中から汗が出ました。

上履きを履かない文化は、校則で決まっておらず、休み時間にすぐに外に行けるように、
みんな裸足だったから、それが普通になっていたみたいです。

でも私は、先生が私の事を考えてくれているのでは?と思いました。

家に帰って、母に「上履き買って」と頼みました。

母はケガとかないなら、裸足のままでいなさい。とあっさり断られました。

しかし私は何としても上履きが欲しかったので、汗で苦労している事を話し、
説得して買ってもらいました。

上履きを入手したときは、64(ロクヨン)のスマブラをしたときと同じくらい嬉しかったです。

次の日から上履きを履いて学校生活を送りました。

靴に足を入れたとき、ふわっと守られているような安心感がありました。

初めて、自分の足が“見られても平気だ”と思えた瞬間でした。

これまで足の汗をハンカチで拭いていたので、黒くなって、
母に申し訳ない気持ちでいっぱいでしたが、これからは気にしなくていい。

それと、雑巾を机の足元に忍ばせなくて済む。

これらから解放されました。

そのためとても気が楽になり、足の汗を気にしなくて良くなりました。

転入生、担任の先生、母のおかげで、楽しい学校生活を送れるようになりました。

上履きの存在が、学校での過ごし方を大きく変えてくれた。あの冬の出来事は、
今でも忘れられません。

ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。

私と同じように、汗でつらい思いをしている方が、もしかしたら今もいるかもしれません。

そんな誰かに、少しでもこの経験が届けばうれしいです。

今日も

あせってないけど、汗かいてます。

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